ヒットにご用心

前回書いたブログからもう一ヵ月近く経ってしまった。子育てしていると、毎日が浦島太郎状態である。でも愚痴を書いているとこれまた一つの記事になってしまうので、さっさと行こう。

 

新型コロナでステイホームが始まり。

私はその前の生活では、週1~3回ほど、わりと激しめのスポーツをしていた(でも体重は増減なし)。

それがなくなって、それまでの忙しかった生活が急になくなり、精神的にも落ち込み気味で、ほとんど運動していなかった。

しかし!なんと体重は日一日と落ち始め、ついにある大台を切った!
普通なら大喜びするところ、私はこれで逆に焦り始めた。

ほとんど動いてないのに痩せるというのは、もしや筋肉が落ち始めてる?

きっと増え始める時が来るはず!その前に、また運動しなきゃ!※1

 

・・・そしてここからが、紆余曲折のカラダジャーニーの始まりだったのだ。

 

焦った私は、前に何度かやったことがあった、「HIIT」をやり始めた。

HIITとはHigh Intensity Interval Trainingの略で、「ヒット」とか「ヒート」などと呼ばれている運動の方法。

なんでも、短時間(分レベル)でその数倍の有酸素運動と同等の効果が得られる、との触れ込みで、私もどこからかその情報を得て、「こんなに短くて効果が数倍ならこんなにいいことはない」と飛びつき(※2)、youtubeで相性の良い動画を見つけてやっていたのだ。

やってみると確かに、最初のうちは「なんだ、これくらいならできるかも~♪」などと鼻歌まじりになめくさっていたら、あれよあれよという間に息があがり、鼻歌どころか「ハアっ!!ハアっ!」とまるでラスト一周の800m走ランナーのような荒い息に変わるほど、地獄のようにキツく、やった感が半端ない。これでたったの7~8分は、確かにコスパが抜群にいい。私はもともと(今から20キロ以上も痩せてた頃は)スポーツ大好きで、走ったり泳いだり球技もしたりと、見るのもやるのもわりと激しめのものが好きだった。だから逆に、ヨガなどの静的なエクササイズがものすごく苦手。というか嫌い、というかやった気になれない。スカっと爽快感が得られないのだ。というわけで、運動好きな私にこのHIITというやつはばっちりヒットしたのだ、まさに。

しかし、体重は不安の通り、徐々に増えていく。焦りが芽生えたものの、「落ちた筋肉が増えたからかも?」などとポジティブに考えようとしていた。そして、「7~8分じゃ足りないのかも」と、もっと運動を増やしていった。この時点でステイホームから一ヵ月以上経過していた。飽きないように、HIITだけではなく、その日の気分によって筋トレ、有酸素(主にダンス)と組み合わせて、最初は週1~3回だったのが、「毎日何かしらやらないと気持ち悪い」という境地に達していた(☆1)。

しかーーーし!!

確かに体の組成は確実に変わっている(筋肉の割合が増えている)実感はあったものの、体重は・・・やはり増えていってる・・・。焦った私は、ここでいっちょ刺激を入れるか、と、ひとしきり踊って有酸素運動した後、HIITのキツーいやつに手を出してしまったのだ(※3)。普段の7~8分と違って、30分くらいある。心拍数も鬼のように上がる。これ、前にも好奇心でちょっとやったことのあるものだったんだけど、あまりのキツさに生命の危険を感じて、やってなかったのだ。さすがに体力もついた今ならもっとできるだろうとやってみると、確かに最初にやったときより楽にできる。というわけで、こういうキツいメニュー(有酸素の後ハードなHIIT、計1時間くらい)を三日連続でやったのだ。

この間、食事もセーブして、大好きな酒も控えた。にも関わらず、体重はどんどん増えた。そして決定的に何かがおかしいと感じたのは、4日目の朝のこと。鏡を見ると、顔がむくんでいる。酒も飲まず食事も控えめで寝たのに、これは明らかにおかしい。ネットで出来る限り調べてみると、確かにランニングなどでハードな練習をした後で、足や体がむくむという体験談をいくつか発見。そして、

「激しい運動→脱水→ホルモン↑尿量↓(血管から皮下に水分を貯めこむ)→むくみ」

「筋肉疲労→乳酸↑→血流・リンパの流れ↓→身体に余計な水分→むくみ」

というメカニズムが働いているらしい、ということが分かってきた。

なるほどー。確かに腑に落ちる。要するに私は、「無理し過ぎた」のだ。

私はここで、あるエピソードを思い出した。尊敬するルポライター鈴木大介さん(漫画『ギャングース』の原作者)の、脳こうそく後のリハビリ闘病記。鈴木さんもスポーツ経験があり、体力に自信ありの方で、できていた時のイメージがあるものだから、リハビリのための運動も、軽いウォーキング程度に抑えてやっていかなければいけないところを、ついつい飛ばし過ぎてしまう。それで結局体調を悪化させてしまったりするのだけれど、リハビリの担当の方に言わせると、かつて運動していた人ほどタチが悪い、と。

ほんとこれ。私の場合ダイエットなんだけど、かつてスポーツしていた、できていたときの変なプライドがあるもんだから、ついつい「できる」「足りない」と思ってしまうのだ。そんな人が走り始めたりすると、必ず最後スパートしたりしちゃうんだよね(はい私)。足も全然上がってないし、本人全速力のつもりでも、はたから見たらハアハア言いながらジョギングしてるようにしか見えないのにね。ああ哀れ。

はっきり言って、かつての体力は貯金できない。だからできていたときのイメージでやり過ぎてはいけない。特に歳を重ねた今では。(若いころの少しのブランクとかならある程度貯金があるかもしれない)

そんな謙虚な気持ちでやらないといけないなと肝に銘じた出来事だった。

なので、ここで一旦HITTとはお別れすることに。HIIT、私は好きか嫌いかでいったら好きな方だけれど、「うわめっちゃきついな!!」という爽快感のあるうちの一回(7~8分)で止めておいた方がいいように思った。それを週2,3回とか。そして、「運動がもともと嫌いな人」「スポーツ経験がほとんどない人」「体力がない人」「持病がある人」「高齢者」などは絶対止めておいた方がいいと(少なくとも最初に選ぶエクササイズとしては)強く思いました。

ここでこれまでの反省ポイントをまとめると。

※1 体重が減らないことに焦って、運動を増やしたのはいいが、激しく増やしてしまった。→食事を見直すという観点が抜けていた(というか食事はできてると思い込んでた)

※2 ダイエットに近道はなし。易きに流れることなかれ。あとで調べてみると、HIITに関する研究では、数倍の有酸素運動と同等、という効果は見られず、そもそもこの提唱者の田畑教授も、そういう目的のものではないと巷に広まってしまった情報に困惑しているそうで、これもなるほどと納得(本来は、バリバリのアスリートが、さらに心肺機能をあげるために刺激を入れるトレーニング法らしいですよ。どうりできついわけだよ)。私自身、まず「ほんとかいな」と疑いの目を持って、きちんと調べてからやったらよかったな、と反省。世の中にあふれるダイエット情報(食・運動すべて)には気をつけよう!と固く心に誓ったのであった。でもHIITについては他にもおもしろ情報があるので、それについてはまた別記事で書きたいと思う。決してHIITを否定するのではなく、使いよう、というのを学べたのはよかった!

※3 運動は確かにダイエットには欠かせない(と私は思っている)けれど、ハードにやればいいってもんじゃないことがわかった。今では分かる、基本は食事、運動は補助的に。

ふう。一つ目の曲がり角(HIITにご用心)に至るまでに、これだけの過ちを犯していたのね。やれやれ。

でもいいこともあった。そしてこれが後々、現在に至るまで効いてるのだ。これはでかい。

☆1 「毎日やらないと気持ち悪い」というくらいまで、一旦運動が習慣づけられたこと。これは一つの大きな「成功体験」として、ダイエットを進めるうえで自信になった。というかそう思い込んだ。言い聞かせた。でないと何度もこの先折れそうになるから・・・。結局運動する毎日は2か月近く続いたので、その後続くいろんな挑戦に関しても、「あれができたんだからこれもできる」と常に自分を励ますことができたのだ。だから無駄じゃなかった!

旅の障壁その1は、こうしてクリアされたのでした。と思ったらほぼ同時にまたぶつかっちまったんだけれど、それはまた次回。

あ!大事なことを書き忘れていた。現在の状態はというと・・・

なんと、ダイエットが軌道に乗っているんです!!やっと長い旅の終わりの始まりに到達できたんです・・・

というわけなので、早く現在の状態まで追いつけるよう頑張ります!