SVUリユニオン!!

Law & Order:性犯罪特捜班 シーズン19 第19話 歯車 Sunk Cost Fallacy

 

前の記事でオールドファンへのサービスシーズンと書いたけれど、本当に同窓会のようだ!!

まさかのアレックス(アレクサンドラ)・キャボット元検事が再登場!

いや、再再登場くらいかな?一度死んだと見せかけて証人保護か何かで生きててびっくり、というのもあったよね。

 

 

でもなあ~、やっぱりあっち側に行っちまったか。一線越えちゃったか。

このドラマ見ていると、起こる事件があまりにも絶望的で、こうやって一線を越えてしまう登場人物が多い(バーバしかり)。確かにキャボットも元々正義感が強くて弱者の味方だったから、自分の属する世界=ロー(LAW)の限界を感じたんだろうなあ。

 

今回もだいぶムカつく男が悪役になってたので思わず感情移入。しかしながらそこはSVU、バーバの言うグレーな終わり方になってしまっていまいちカタルシスがなくてちょっと残念。脱線だがこの悪役の男の人、キレると何するかわからない的な役でよく出てくるような。("Outast"でも不気味な暴力男だった)今回もブチギレイカレ野郎にしか見えなくて適役。

 

でもやっぱりキャボット再会回にしてはうーん、という感じだったので寂しく思っていたけれど、この原題が気になって調べてみた。

 

 Sunk Cost Fallacy (Cambridge English Dictionaryより)

the idea that a company or organization is more likely to continue with a project if they have already invested a lot of money, time, or effort in it, even when continuing is not the best thing to do

 

ふんふん、人は何か既にお金や時間、労力をつぎ込んでいる物事があると、それを続けることが得策でない場合でもそうしてしまいがちであると。経済などでよく使われる用語らしいけれど、なるほど今回キャボットが法の一線を越えてやっていることがまさにsunk cost fallacyだったわけか。邦題「歯車」もオリビアとの会話に出てきてなかなかいいな、と思ったけれど、こちらの原題も深い。キャボットは法が弱者(DV被害者)を助けられる限界を感じて、失踪を装うというリスクまで冒して保護することに尽くしてきたからこそ、それが本来ならやるべきことではないにも関わらず、やらずにはいられなかったのだろう。その姿は、自分のしていることが被害者を確かに助けているのだ、という切望に必死でしがみついているようにも見えた。前にいた場所よりはマシ、と。実際に自分の足で動いて被害者の行く末を見届けるのとは違って、法の世界で弱者を助けるというのはもっと不確かで理不尽で、ともするとその世界自体に疑いを持ってしまうような危うさがあるのだろうな。

 

彼女はこれからも続けていくのかな。今度は長いお別れになるのだろうか。