愛と狂気は紙一重♪

Crazy Ex-Girlfriend

S1 Ep1 Josh Just Happens to Live Here! 「ジョシュが偶然ここに!」

 

主人公レベッカの十代の夏。ジョシュの“Ex”(元)カノジョではなく、現カノジョだった時代のエピソードから始まるこのドラマ。

始めの数分でレベッカのクレイジネスの片鱗がたっぷり見えるところが見事。

2005年のサマーキャンプ。歌とダンスで出し物に出ているレベッカ。「ソロを歌って観客との絆を感じた」と恋人ジョシュに興奮しながら話す。「ソロ」って・・・実際にはソロ気分で歌ってただけのようなw そしてママは見に来てなかったけど、あの瞬間は「みんながママに見えた」。ここで「え?この子は大丈夫か?」とw 何かが微妙にズレてます。

他にも

「(キャンプに参加したいがために)新婚の父親(母親の再婚相手)に『死ぬ』と脅した」

とか

「(ジョシュに出会って)自分が“女”だと気づかせてくれた(十六歳が言う台詞かなw)」

とか、「何かが変」な発言多数。

そしていきなり別れを切り出されるレベッカ。しかも彼氏に「ドラマチック」って言われたのはまだしも、”weird(奇妙)“とまで言われちゃって・・・(😂)

「私はドラマチックじゃない!!」と言いながらめっちゃドラマチックにクラクション鳴らすおばさんにキレまくってますw

 

そして大人になったレベッカ。中学生のレベッカを模擬裁判に行かせたかった母親は、どうやら毒親の匂いがプンプン。でも彼女の望み通りにニューヨークのエリート弁護士になった模様。

でもここで、バターのCM(このセンスも笑える)の「啓示」を受ける。「心から幸せを感じたのはいつ?」と。

このコピーが頭から離れないレベッカのもとに、突然元カレ・ジョシュが現れる!!

ここで啓示が強化されちゃうw

 

レベッカの頭にはあのキャンプで歌った”I'm in love~♪“の歌詞と、”Happy”という言葉が繰り返される…

そして唐突に始まるミュージカル!!

この音楽と振り付けが、アメリカミュージカル黄金期っぽい曲調で、映像とのギャップが最高。

ジョシュの住むウエスト・コビーナに自分も降り立つレベッカ。相変わらず壮大な曲に乗せて降り立ったのがカリフォルニアのポルノショップの前っていうのがw

「私のお腹は愛を感じ音楽の授業より先に減る」、そして地元新聞の「音楽の授業削減」の見出しw 皮肉が効いてます。夢のある曲っぽいのに背景が全然違うところが最高。

既に住むところを決めながら、「きっかけはジョシュだけど彼は理由じゃない」「思いつめてない」と歌いながら言い張るレベッカ(相手はストリップバーの女の子や引っ越し業者の移民)この時点で既に偏執狂。

始まって十数分でもうウエスト・コビーナに越してます。

早速毒親ママから留守電メッセージ。「前回の自殺未遂」とか物騒なこと言ってる。レベッカのこのクレイジーっぷり、母親との関係が深そうですね・・・

 

そして地元の弁護士事務所に転職するんだけど、ここの同僚たちのキャラが立ちまくりで最高。特にお気に入りはやっぱりポーラ!!

すごい有能なパラリーガルなんだけど、最初に事務の人と勘違いしたレベッカとの出会いは最悪。

洞察力のあるポーラは、ハーヴァードとイェール卒の敏腕弁護士がなんでこんなところに転職してくるんだと訝る。

自分(とジョシュ)の世界に入り込んでるレベッカは、そんな思惑にも気づかず、ジョシュのサイバーストーキングw

偵察に出かけたバーのバーテンダー、グレッグにジョシュに会えるとパーティーに誘われる。

ポーラに詰め寄られても気にしないレベッカ、パーティーに向けてグルーミング。

 

このときの歌が最高!“セクシーの支度をするの(The Sexy Getting Ready Song)”。

なんかいかにもどこかのR&Bシンガーが歌ってそうな曲で、口ひげ剃ったりお尻の毛を脱毛したり(グロい!!)、きっついパンストを無理やり(ダンサーに手伝ってもらって)はいたり、ヘアアイロンで首やけどしたり。

すごい可笑しいのは、曲の途中でMC担当するラッパーが、あまりの惨状にドン引きして、「こんなこと女たちにさせてたのか、謝らなきゃ」って反省するところw

 

そんな大変な思いをしながらも、パーティー当日はばっちりキメてくるレベッカ

グレッグがジョシュのこと褒め始めたらそのまま発情して目の前のグレッグにがっつくところに苦笑。その後もいちゃつきながら、終始ジョシュのことを聞きまくり、彼女がいると知って泣きながらキスしまくる(爆笑)。もうこのね、全部一人で始めて一人で振り回し振り回されてる感じが痛々しいけど笑いで涙が止まらない。さすがにグレッグも引いちゃって、いちゃつきはおしまいに。

その間に、勝手にレベッカのパソコンを見てウエスト・コビーナに来た本当の理由を知ったポーラは、パーティーにやってくる。

ジョシュのために来たんでしょ?!と言うポーラに、高年収(54万5000ドル!!)とニューヨークを捨てて、16歳のときに2か月付き合っただけの元カレ追いかけてくるほどクレイジーじゃないわよ!・・・あれ?イカれてるあたし?変なのあたし?とパニくるレベッカ

 

そこでポーラの一言!

「黙って!!私の友達を悪く言わないで!聞こえた?」

“Stop it !! Don’t you talk about my friend like that ever again. Do you hear me?”

 

ここでグっときた。険悪な出会いや、レベッカのことを詮索する様子から、てっきりポーラは何か意地悪なことをするのか、敵役なのかと思いきや、この一言。

英語のこういう表現、前にもセックス・アンド・ザ・シティでスティーブがミランダに言っていて、とても素敵だなと思っていた。

 

ただストレートに「自分のことをそんなに悪く言うもんじゃないよ」と言われるより、

「私の大切な友達(彼女)のことを悪く言わないで」と言われたら、

「そっか、自分の大切な人の大切な人(自分)のこと悪く言ったら傷つくよね。ごめん」

ってなるじゃないですか。そして「ああ、私受け入れられてるんだな。愛されてるんだな。」って思うじゃないですか。

 

まだ9話くらいまでしか見てないけれど、このくだりを見て、これはきっと、独親に育てられて自己肯定感が極端に低いレベッカの、自分を見つめて受け入れる旅の物語になるんじゃないかと思った(願った)。

 

そして、レベッカのことを、ジョシュへの思いからくる愛100%の行動じゃないかって全てを肯定(するどころか、自分も若いころにその勇気が欲しかったと涙ぐむw)して称えて鼓舞して、よく知らないのにもう「友達」って言い切るポーラが本当に素敵。こんなお母さんだったらよかったのにねレベッカ

これでジョシュへの思いを自分の妄想だけでなく、オフィシャルに正当化(ポーラにだけだけどw)してもらったレベッカ

 

ここで「ウエスト・コビーナのテーマ(私が勝手に名付けましたw)」がうポーラとのデュエットになっちゃう!!www サイコー!

しかも二人とも猛烈に上手いw このドラマの人たちみんな歌上手いんだけど、内容がクレイジーなのに本格ミュージカルなところがもうそれだけで笑えるんです。

 

このデュエット部分、二人の掛け合いで映画やドラマの有名な「恋人たち」の名前が出てくるんだけど、英語の歌詞を調べると、ベラとエドワード(『トワイライト』の恋人たち)、キャリーとミスター・ビッグ(SATC好きには嬉しい♪)、ハリーとサリー(『恋人たちの予感』)、最後のジュリア・ロバーツリチャード・ギア(もう役名じゃなくなってるw)のところで、「(トップ)ギア(gear)」と「ギア(Gere)」をかけてる!!すご~い♡しかも馬鹿馬鹿しいところが最高w

 

いや~、ぶっ飛んだ内容ながら、まさかのポーラの激励展開でちょっと感動さえしましたよ。

 

他にも、ポーラの上司ダリルの苗字ホワイトフェザー(チペワ族のルーツw)とか、

ダリルの部屋の狼の絵とか、

ユダヤ発言やっちゃったとか、

例のラッパー(ニプシー・ハッスルっていう名前もいかにもでw)がダンサーたちに謝るところとか(「コインの水着で車の上で踊らせて暑かっただろう」「君と『第二の性』について話し合いたい」ウケる)、

でも謝罪リストが”Bitch”のままになってて、まずそこから直しなさいよwとか、

細かいネタがもういちいちツボで!!

 

ミュージカル部分のサイコー加減については、もう見てもらわないと伝わらないので、

とりあえずこれをいますぐ見て!!

もうね、歌いたくなりますね、「ウエスト・コーヴィーナー、キャリフォ~~~ニャ~~!!」

 

優れたセクシーソング風刺にもなっているのではないでしょうか。